知っておきたい
奨学金・教育ローン


STEP3 奨学金・教育ローンを確認
STEP1・2で見てきたように、大学生1人にかかるお金は相当な額になります。場合によっては、家庭の経済的負担を軽くする奨学金や教育ローンなどを上手に利用したいものです。
東京大学の奨学金制度
東京大学学部学生奨学金(高校予約型)
申請 | 入学前 |
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種別 | 給付 |
概要 | 本奨学金制度は、入学前に募集をして東京大学に合格することを条件として、入学後に奨学金を支給する予約型奨学金です。経済的困難のために東京大学への進学を断念しておられる生徒等を対象とします。 |
金額 | 年額50万円 |
期間 | 入学後1年間 |
東京大学さつき会奨学金
申請 | 入学前 |
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種別 | 給付 |
概要 | 東京大学に入学を希望する優れた女子生徒等であり、東京大学入学後に自宅外から通学せざるをえない者であって、経済的な理由により修学困難な者を対象として奨学生の選考を行い、東京大学への入学後に奨学金を支給して支援することを目的とします。 |
金額 | 月額5万円 別途入学支援金30万円を支給 |
期間 | 4年間(ただし、6年制の課程にあっては6年間とする)※1 |
※1 修士課程(専門職を含む)に進学する場合には、修士課程の標準修業年限を支給
また、すでに東京大学に在籍している女子学生対象の奨学金制度についてはこちらをご確認ください。
その他の奨学金制度
日本学生支援機構の奨学金
日本学生支援機構は日本育英会に代わり2004年4月に設立されました。奨学金制度のなかでは最も利用者が多く、100万人以上の大学生(短大生含む)が利用しています。
この奨学金は貸与型で、奨学生が卒業後に奨学金を返還することで、循環運用しています。
第一種奨学金 | 第二種奨学金 | |
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利息 | 無 | 有(年3.0%上限) |
学力基準 | 高校1年生~申し込み時までの成績が3.5以上 |
下記のいずれかに該当する者
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家計基準 (給与所得) |
747万円以下 | 1,100万円以下 |
貸与月額 |
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月額20,000円~120,000円(10,000刻み) |
- ※家計基準は4人世帯の場合。生計維持者の所得証明書等における収入金額(控除前)
-
※この他に「入学時特別増額貸与奨学金制度」あり
対象は、1年次において入学月を始期として奨学金の貸与を受ける者のうち、規定の貸与条件に該当する者。希望により入学月の基本月額に10万円・20万円・30万円・40万円・50万円を増額して貸与される。
第一種と第二種はあわせて貸与を受けることも可能です。ただし、卒業後に学生本人が返還することになるため、必要な金額をよく検討する必要があります。
貸与型奨学金の募集は進学の前年に奨学金を予約する「予約採用制度」と、大学進学後に申し込む「在学採用制度」があります。予約採用の場合、高校を通じて申し込みます。すでに卒業している場合でも進学前であれば、卒業後2年以内は出身高校を通じて予約申し込みが可能です。募集時期は学校によって違いますので、希望する場合は高校の先生(高卒者は出身高校)へ早めに相談しておくとよいでしょう。
また、2020年4月からは従来の給付型奨学金の支給に加え、授業料等の減免(授業料と入学金の免除または減額)の2つの支援が受けられる高等教育の修学支援新制度が始まりました。
学力基準(学業成績もしくは学修意欲(高校等において面談またはレポートの提出により確認))、家計基準それぞれの要件を満たし、進学予定校が国の確認を受けた支援対象の大学であることが必要となります。貸与型と同様、進学前も進学後も申し込むことができます。
制度の詳細や、自身が支援の対象となるか、どれくらいの支援が受けられるかは、日本学生支援機構のホームページでシミュレーションすることができますので、確認してみるとよいでしょう。
地方公共団体の奨学金
都道府県や市町村など地方自治体でも多くの奨学金制度が設けられています。ただし、対象はその奨学金団体所在地に居住する者、またはその子弟に限られることがほとんどです。
募集人数や支給金額、給付型か貸与型かは、各団体によってさまざまで、日本学生支援機構など他の奨学金との併用が認められないケースもあります。申し込みも大学が窓口になるものや直接教育委員会などに申し込むものなどがあります。希望する場合は、なるべく早い時期に在住地区の教育委員会等に問い合わせ、確認しておくようにしましょう。
民間団体の奨学金
公益財団法人や一般社団法人など、多数の民間団体でも奨学金制度が設けられています。民間団体の奨学金制度は以下の3つに分類されます。
- 内部選考を行う奨学会
- 学内選考で推薦者を決定し、東京大学から奨学会へ推薦します。
- 直接応募の奨学会
- 希望者が直接奨学会へ願書を提出します。
- その他の奨学会
- 上記以外の方法で応募するものです。一部、内部選考を行う奨学金もあります。
募集人数や支給金額、給付型か貸与型かは、各団体によってさまざまで、日本学生支援機構など他の奨学金との併用が認められないケースもあります。応募時には条件をよく確認しておくようにしましょう。
授業料の免除
東京大学には、経済的理由等により、授業料等の納入が困難であり、かつ学業優秀と認められる場合には、選考のうえ、授業料等が免除または徴収が猶予される制度があります。
くわしくは、東京大学のHPをご確認ください。
教育ローンの利用
進学・教育ローンの内容はさまざまですが、一般的なローンと比較すると、低い金利が設定されています。なかでも国の資金で運営されている「国の教育ローン」(日本政策金融公庫)は、低金利で融資条件も比較的緩やかなため人気が高いようです。受験費用、入学費用、在学費用のすべてを対象とし、融資限度額は学生1人につき350万円まで。インターネットや全国の日本政策金融公庫、銀行、信用金庫などで申し込むことができます。
このほか民間金融機関でも各種の教育ローンが設置されています。返済方法も多様で、卒業後に子どもが返済を引き継ぐ、親子リレー型返済などもあります。
いずれにしても、早めに資料を取り寄せ、窓口で相談するなど、無理なく上手に利用するとよいでしょう。
教育ローンのいろいろ
国の教育ローン(日本政策金融公庫) 教育一般貸付
- 利用条件
- 高校、大学・短大、大学院、専修・各種学校などに入学・在学する生徒・学生の保護者で、世帯年収(所得)が次表の金額以内の者
子どもの人数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
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世帯収入(所得) の上限額 |
790万円 | 890万円 | 990万円 | 1,090万円 | 1,190万円 |
(事業所得者の場合) | 590万円 | 680万円 | 770万円 | 870万円 | 970万円 |
- 融資額
- ①自宅外通学
②修業年限5年以上の大学(昼間部)
③大学院
④海外留学(修業年限3カ月以上の外国教育施設に留学する場合)
上記いずれかの資金として利用する場合は、生徒・学生1人につき450万円以内
上記以外の場合、生徒・学生1人につき350万円以内
- 返済期間
- 15年以内(母子家庭、父子家庭、交通遺児家庭、世帯年収200万円(所得122万円)以内の場合 または子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の場合は18年以内)
- 利率
- 年1.68%(令和2年11月2日現在)
- 取扱窓口
- 日本政策金融公庫 国民生活事業の各支店、最寄の金融機関(銀行、信用金庫など)
- 問い合わせ先
- 教育ローンコールセンター
TEL:0570-008656
ろうきんの教育ローン(労働金庫)
※以下は中央労働金庫の例です。詳細は各都道府県労働金庫によって異なりますので、お問い合わせください。
- 利用条件
- 中央労働金庫に出資のある団体会員の構成員、または自宅や勤め先が関東8都県にある給与所得者で規定の条件に該当する者
- 融資額
- 2,000万円以内
- 返済期間
- 最長15年。融資期間の範囲内で元金据置期間(最長5年)の設定が可能
- 利率
- 固定金利型(10年以内の借入れ) 年2.4~3.4%(令和3年2月1日現在)