東大生の就職状況東大生の就職状況 2019年度
東大生は卒業後、どのような職業に就くのでしょうか。学部卒業者と大学院修了者それぞれの就職先について見ていきましょう。
2020/10/20 掲載
東京大学 卒業・修了者 就職状況
学部生で三井住友銀行が2年連続最多。コンサルは順位変動続く。
民間企業は、学部卒業者では三井住友銀行が、大学院修了者ではソニーがトップでした。中央省庁への就職は、学部卒業者では総務省が、大学院修了者では国土交通省が最多でした。
東京大学 学部卒業者の就職状況
学部卒業者の就職先企業では前年度に続き三井住友銀行が最多で20人でした。続いて三菱UFJ銀行、PwCコンサルティングがランクイン。前年度の上位3社に入っていたアクセンチュア、東京海上日動火災は同率4位で並びました。
三大銀行は三井住友銀行が22人→20人、三菱UFJ銀行が14人→17人と前年度とほぼ同数でしたが、2016年度には2位だったみずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行を含む)は減少が続き、2019年度はトップ20圏外になりました。
三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、三井物産の大手商社は2019年度も上位にランクインしたものの、11位→8位の三井物産以外は順位を下げました。
銀行・商社などが例年同様の顔ぶれのなか、コンサルティング企業はここ数年入れ替わりが激しくなっています。
アクセンチュアは上位で安定を見せますが、A.T.カーニーなどが圏外からランクイン。前年度17位のアビームコンサルティングは姿を消し、代わりに前年度圏外だったマッキンゼー・アンド・カンパニーが15位に復活。デロイト トーマツ コンサルティングは前年度11位から順位を1上げました。
順位 | 企業名 | 前年差 | 業種 | 人数 |
---|---|---|---|---|
1 | 三井住友銀行(1) | → | 銀行業 | 20 |
2 | 三菱UFJ銀行(3) | ↑ | 銀行業 | 17 |
3 | PwCコンサルティング(―) | ↑ | サービス業 | 16 |
4 | アクセンチュア(2) | ↓ | サービス業 | 15 |
東京海上日動火災(3) | ↓ | 保険業 | 15 | |
6 | NHK(7) | ↑ | 情報・通信業 | 13 |
三菱商事(5) | ↓ | 卸売業 | 13 | |
8 | 三井物産(11) | ↑ | 卸売業 | 12 |
9 | 楽天(10) | ↑ | サービス業 | 11 |
10 | デロイト トーマツ コンサルティング(11) | ↑ | サービス業 | 10 |
11 | A.T.カーニー(―) | ↑ | サービス業 | 9 |
SMBC日興証券(―) | ↑ | 証券、商品先物取引業 | 9 | |
伊藤忠商事(8) | ↓ | 卸売業 | 9 | |
日本生命(11) | → | 保険業 | 9 | |
15 | マッキンゼー・アンド・カンパニー(―) | ↑ | サービス業 | 8 |
住友商事(8) | ↓ | 卸売業 | 8 | |
大和証券(―) | ↑ | 証券、商品先物取引業 | 8 | |
日本政策投資銀行(5) | ↓ | その他金融業 | 8 | |
博報堂(―) | ↑ | 新聞・出版・広告 | 8 | |
富士フイルム(―) | ↑ | 化学 | 8 | |
※括弧内の数字は前年の順位を、(―)は前年21位以下を表します。 ※東京大学新聞社まとめを元に作成 |
(人) |
大学院修了者の就職状況
大学院修了者では、2016年度から5位以内をキープしてきたソニーが35人で1位となり、対して前年度1位の日立製作所は5位となりました。
ソニーに続く野村総合研究所、トヨタ自動車は例年通りの顔ぶれですが、トップ10には前年度13位のNTTデータや、前年度トップ20圏外からの楽天、また学部卒と同様PwCコンサルティングがランクイン。代わりにディー・エヌ・エー、中外製薬が姿を消すなど変動がありました。
11位から20位までも昨年同様入れ替わりが激しい結果となりました。ヤフーが4位→13位に順位を落とし、住友商事やパナソニックなどがトップ20圏外に。代わってデロイト トーマツ コンサルティングが19位にランクインするなど大幅な入れ替えとなりました。
順位 | 企業名 | 前年差 | 業種 | 人数 |
---|---|---|---|---|
1 | ソニー(3) | ↑ | 電気機器 | 35 |
2 | 野村総合研究所(5) | ↑ | 情報・通信業 | 30 |
3 | トヨタ自動車(5) | ↑ | 輸送用機器 | 29 |
4 | 富士通(8) | ↑ | 電気機器 | 23 |
5 | アクセンチュア(7) | ↑ | サービス業 | 22 |
日本IBM(2) | ↓ | 電気機器 | 22 | |
日立製作所(1) | ↓ | 電気機器 | 22 | |
8 | NTTデータ(13) | ↑ | 情報・通信業 | 20 |
9 | 三菱重工業(―) | ↑ | 機械 | 15 |
楽天(―) | ↑ | サービス業 | 15 | |
11 | PwCコンサルティング(―) | ↑ | サービス業 | 14 |
ソフトバンク(―) | ↑ | 情報・通信業 | 14 | |
13 | NEC(―) | ↑ | 電気機器 | 13 |
ヤフー(4) | ↓ | 情報・通信業 | 13 | |
リクルート(―) | ↑ | サービス業 | 13 | |
旭化成(12) | ↓ | 化学 | 13 | |
三菱ケミカル(―) | ↑ | 化学 | 13 | |
三菱電機(11) | ↓ | 電気機器 | 13 | |
19 | IHI(―) | ↑ | 機械 | 12 |
デロイト トーマツ コンサルティング(―) | ↑ | サービス業 | 12 | |
デンソー(13) | ↓ | 輸送用機器 | 12 | |
日鉄ソリューションズ(―) | ↑ | サービス業 | 12 | |
日本製鉄(―) | ↑ | 鉄鋼 | 12 | |
※企業名の括弧内の数字は前年の順位を、(―)は前年21位以下を表します。 ※東京大学新聞社まとめを元に作成 |
(人) |
中央省庁への就職状況
中央省庁への就職者数を見ると、学部卒業者では、総務省が1位、続いて外務省、経済産業省と大きな変化はありませんでした。前年度1位の国土交通省は4位でした。
大学院修了者では国土交通省が12人で1位、続いて経済産業省、特許庁となりました。前年度11人で1位だった農林水産省は5人に数を減らし4位にランクインしました。
学部卒業者 | 大学院修了者 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 省庁名 | 前年差 | 人数 | 順位 | 省庁名 | 前年差 | 人数 |
1 | 総務省(3) | ↑ | 13 | 1 | 国土交通省(2) | ↑ | 12 |
2 | 外務省(2) | → | 10 | 2 | 経済産業省(8) | ↑ | 11 |
経済産業省(5) | ↑ | 10 | 3 | 特許庁(2) | ↓ | 6 | |
4 | 警察庁(3) | ↓ | 9 | 4 | 農林水産省(1) | ↓ | 5 |
国土交通省(1) | ↓ | 9 | 文部科学省(2) | ↓ | 5 | ||
6 | 財務省(6) | → | 8 | 6 | 外務省(―) | ↑ | 4 |
7 | 農林水産省(7) | → | 5 | 厚生労働省(5) | ↓ | 4 | |
8 | 特許庁(―) | ↑ | 4 | 8 | 環境省(―) | ↑ | 3 |
文部科学省(―) | ↑ | 4 | 金融庁(9) | ↑ | 3 | ||
10 | 内閣府(―) | ↑ | 3 | 内閣府(―) | ↑ | 3 | |
防衛省(―) | ↑ | 3 | (人) | ||||
(人) |
※省庁名の括弧内の数字は前年の順位を、(―)は前年11位以下を表します。 ※東京大学新聞社まとめを元に作成
<掲載データについて>
上記は、東京大学新聞社が各学部・研究科への問い合わせをもとに2019年度卒業・修了者の就職状況を集計したデータを、許可を得て掲載しています(東京大学新聞 第2937号)。
※ 2019年度卒業・修了者は2020年3月卒業・修了者以外にも、2019年9月卒業・修了者などを含みます。 ※ データは各学部・研究科への問い合わせをもとに作成しており、各学部・研究科に報告していない者や、就職を辞退した者などの人数が反映されていないため、実際の就職者数と異なる場合があります。また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、十分な集計ができていない学部・研究科もあります。一部の学部・研究科では、進学者数が未公表になっています。
全学部・大学院 就職先
続いて、東京大学が集計した2019年度卒業者の卒業後の状況および2019年度修了者の修了後の状況から作成した、官公庁と民間企業の就職先の割合を分析したデータを掲載します。グラフでは学部・研究科ごとに就職先の業種別割合を示しています。
東京大学 学部卒業者の就職先
学部卒業者の就職先を学部別に見ると、官公庁への就職率が最も高かったのは法学部(30.0%)でした。教育学部(18.4%)、教養学部(18.0%)と続き、学部全体の就職者のうち14.1%が公務の道へ進みました。
一方、民間企業への就職率が最も高かったのは、経済学部(89.3%)でした。次いで、理学部(88.9%)、工学部(84.7%)が高く、学部全体では79.4%となりました。
<グラフ1>2019度学部卒業者の就職先の割合
※東京大学公表データ
※卒業者のうちで、就職した者の就職先の割合を示しています(薬学部と医学部を除く)
東京大学 大学院修了者の就職先
続いて大学院修了者の就職先です。
官公庁への就職率が最も高かったのは公共政策大学院(36.0%)でした。以下、人文社会系研究科(8.8%)、農学生命科学研究科(8.6%)と続き、大学院全体の就職者のうち官公庁へ就職した割合は4.3%となりました。
一方、民間企業への就職率が高いのは、情報理工学系研究科(96.2%)と、経済学研究科(96.2%)が並びました。薬学系研究科(95.2%)、医学系研究科(94.6%)などが続き、大学院全体では89.7%が民間企業へと就職しました。
<グラフ2>2019年度大学院修了者の就職先の割合
※東京大学公表データ
※修了者のうちで、就職した者の就職先の割合を示しています
※大学院修了者には、退学後論文を提出して学位を授与された者と満期退学者を含みます。
※2019年度卒業・修了者は2020年3月卒業・修了者以外にも、2019年9月卒業・修了者などを含みます。 ※記事中の割合の数字はいずれも小数第2位を四捨五入したものです。